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液体窒素不要のEDX検出器「INCA DryCool」を発売開始
英・オックスフォードより販売権を獲得、高安定、高エネルギー分解能を実現

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2005年 5月30日


 株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章/以下、日立ハイテク)は、液体窒素を必要としないエネルギー分散型X線元素分析装置(EDX)(*)の検出器「INCA DryCool」について、英国のオックスフォードインストゥルメンツ社・分析部門(取締役:チャールズ・ホルロイド)より汎用電子顕微鏡用オプションとしての日本国内における販売権を獲得し、2005年6月より販売を開始します。
 
 電子顕微鏡のオプションとして一般的となったEDXは、従来その検出器を液体窒素で冷却することが必要でした。しかし、液体窒素を定期的に補充する必要があることから、その作業負荷や作業時の安全性について常に使用者を悩ませていました。また、クリーンルームなど液体窒素が持ち込みにくい環境では、その使用が制限されています。
 今回発売を開始する「INCA DryCool」は、液体窒素を必要とせず、従来型のEDXと同等以上のパフォーマンスを実現しています。

 液体窒素フリーの検出器自体は、今まで他のEDXメーカーも販売していましたが、冷却にコンプレッサーを使うため、高倍率の電子顕微鏡像を阻害する場合がありました。「INCA DryCool」では、アクティブバイブレーションキャンセラーを搭載しコンプレッサーによる振動を最小限に抑えるほか、その振動数をパソコンで制御することで電子顕微鏡鏡体との共鳴振動を防ぎます。また、このコンプレッサーは非常に小型で、他メーカーが床に設置しているのに対し、検出器と一体となっているのも大きな特長の一つです。これにより、冷却時間が非常に短くなり、電源OFFにして検出素子が室温状態であっても、50分以内で測定可能な温度領域まで到達します。さらに、通常のコンプレッサーは定期的なメンテナンスが必要ですが、このコンプレッサーは基本的にメンテナンスフリー構造となっています。本コンプレッサーはイギリスの航空宇宙技術開発の過程で誕生したもので、その信頼性は従来品と一線を画しています。

 従来の液体窒素フリーのEDX検出器における最大の問題点であった振動を大幅に低減した本製品は、現在のEDX市場を活性化させるものです。今までは特殊な条件でのみ使われていた液体窒素フリー検出器が、今後は標準的な検出器の一つとして選択されることが期待されます。

 日立ハイテクは、本装置の実機を日立走査電子顕微鏡S−3400Nに装着したシステムとして、6月1日(水)〜3日(金)につくば国際会議場(エポカルつくば)で開催される「日本顕微鏡学会」(日立ハイテクノロジーズ ブース)で展示する予定です。
「INCA DryCool」の出荷は6月1日より開始し、初年度20台、3年後に年間40台の販売を目指しています。

【主な仕様】
検出器素子 Si(Li)
有効検出器面積 10mm
エネルギー分解能 133eV以下(Mn−Kα)
ウインドウ SATWウインドウ
リセット方式 FET(PENTAFET−5極FET Oxford特許)
検出可能元素 Be−U92
サーマルリサイクル 可能
冷却方式 高純度Heガス使用 パルスチューブ方式
検出器冷却時間 室温より93Kに到達し、±0.1Kに安定まで50分以内
検出器挿入方式 モーター駆動式
大きさ、重量 検出器部   16kg
※LN2冷却タイプは25kg程度 (LN搭載時)
PC制御部  167×452×448mm 16kg
アナライザ部 180×330×260mm×4台
         1.1kg〜6.0kg
ユーテリィティ 電源 1.5kVA(LN2冷却タイプとほぼ同等)

※エネルギー分散型X線元素分析装置(EDX)
物質に電子線を当てると、その含有元素に応じて元素特有のエネルギーを持つX線が放出される。これを利用して、試料中の含有元素を調べる装置がエネルギー分散型X線元素分析装置(EDX)である。

 

「INCA DryCool」(外観)
「INCA DryCool」(外観)
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