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樹脂と相性の良い電磁波吸収・放熱・絶縁性金属粒子を開発

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2008年3月14日
 
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 株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、このたび、樹脂に混練したときに高充填化しやすく、電磁波吸収・放熱・絶縁性をバランス良く実現させた絶縁性金属粒子を開発しました。
 電磁波吸収、放熱、絶縁性が求められる半導体、デジタル家電、自動車関連分野に向けて、パッケージ用の混練材料として販売を開始します。

 電子機器の急速な小型・高密度実装化、および高性能化に伴い機器の発熱量は増大する傾向にあり、その熱を外部へ放出する必要性が強く求められています。IC封止材としては一般的にエポキシ樹脂が用いられていますが、ICの実装では素子本体との相性を良くするために、シリカのような微細セラミックス粒子を混入しています。そのため、素子が発熱しても、周囲を包んでいる樹脂が熱を運ぶ必要があります。しかし、セラミックス粒子は熱伝導性が良くないため、放熱用の金属板(ヒートシンク)を必要とします。ICが高機能化していくと、比例して発熱量が増加し、同時に、ヒートシンクの大型化を必要とするため、IC封止材の高熱伝導化は、必須の課題となっています。
 また、近年、携帯電話、無線LAN等の情報通信機器、その他電子機器から発生する電磁波が人体に与える影響が問題となってきています。電磁波環境については、携帯電話と脳腫瘍の発生との間に関係があるかどうかを確認する疫学調査が、WHOの内部組織である「国際がん研究機構(IARC)」(http://www.iarc.fr/)の国際プロジェクトとして現在進められています。同時に、電子機器内部での回路間の電磁波干渉による誤動作もクローズアップされてきています。

 これからの課題を解決するため、今回、金属粒子の電気伝導性をセラミックス被覆することで、絶縁性金属粒子を開発しました。本技術により、金属粒子で必ず課題になる絶縁性を、いっきに1013Ωcm以上に性能アップすることができました。本金属粒子は、セラミックス被覆が樹脂との濡れ性を向上させ、そのセラミックス被覆層の厚さを調整することで密度を変えることができるため、樹脂に混練するときに発生する「粉末が樹脂にうまく混ざらない」という課題を解決させることができます。例えば、IC用の実装樹脂に混練することで、熱膨張や硬さなどの諸物性をそれほど変えることなく、放熱を向上させることができます。したがって、ICのクロック周波数の増大や多層実装などによる高密度化によりICのさらなる発熱が懸念されますが、ヒートシンクなどへの負担が軽減されるため、機器の小型化を図ることもできます。
 また、金属粒子に軟磁性材料を使うことで、電磁波吸収の効果も期待されます。本金属粒子は、携帯電話に利用される電波(800メガヘルツ帯と1.5ギガヘルツ帯)や1GHz以上の高周波帯域における電界や磁界を吸収し、またシールド材との組み合わせで、外部への漏洩を遮断することもできます。
 さらに、金属粒子の表面を二酸化ケイ素(SiO2)で被膜し粒子同士の接触を防止することで絶縁性を確保しました。同時に、SiO2のみを混練した場合と比較して、SiO2と同等の絶縁性を確保したまま、約3倍の熱伝導性も確保することができました。すなわち、熱を伝えて電気を通さない絶縁性金属粒子にすることができました。

 半導体素子をパッケージングするエポキシなどの樹脂にこの金属粒子を混ぜて成形することで、高周波デバイスのノイズ対策と耐熱性を向上させることができるため、電磁波吸収と信頼性が求められている携帯電話や自動車向けの半導体封止材として需要が見込まれます。また、デジタル家電、自動車で使われる放熱・電磁波吸収シートに混練成形することで、放熱・電磁波吸収性を向上させることもできます。

 日立ハイテクは、半導体メーカー、半導体封止材メーカー、放熱・電磁波吸収シートメーカーなどに向けて今回開発した金属粒子の販売を開始し、さらには情報通信分野、社会インフラ分野等において、様々な応用展開を図っていきます。

【電磁波吸収・放熱・絶縁性金属粒子の主な特長】
1.優れた電磁波吸収特性と熱伝導性: コア材に軟磁性金属(平均径約20μm)を使用
2.絶縁性を確保: 金属表面を二酸化ケイ素(SiO2)で被膜し粒子同士の接触を防止
導電性金属を、いっきに1013Ωcm以上の絶縁体にした
  

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