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情報広場(話題の分析例)

セクションタイトル   vol.70(2004.09.03)
超遠心機による単層CNT(カーボンナノチューブ)の分離

CNTは炭素でできた円筒状の物質で、半導体材料・燃料電池の電極などで"驚異の新素材"として注目を集めています。また、種々の異なった構造(単層、二層など)が存在し、構造の違いによって性質が異なるため、詳細な研究には分離精製が欠かせません。
*CNT:Carbon Nano Tube

1996年、Robert F. Curl,Harold W. Krotoとともに「フラーレンと呼ばれる新しい立体構造を持つ化合物の合成研究」によりノーベル化学賞を受賞した米国テキサス州ヒューストン、ライス大学のRichard E. Smalley博士のグループは、超遠心機を用いた単層カーボンナノチューブの分離について報告いたしました

*引用文献:Band Gap Fluorescence from Individual Single-Walled Carbon Nanotubes, Michael J. O’Connel l, et al.,Science,vol.297,593-596(2002).

この文献の超遠心機は、日立工機(株)製 CP100MXであり、精度良く分離できますので皆様の研究にお役立てください。
単層CNT分離装置
CP100MX形分離用超遠心機
システム構成 
日立工機(株)製
分離用超遠心機 himac CP100MX
\10,000,000-
ロータは容量、回転数により選択願います。
P28S形スイングロータ \2,100,000-
P56ST形スイングロータ \2,200,000-


遠心分離条件
使用ロータ:P28S(文献同等品)
左写真:Smalley博士のグループが文献で報告した超遠心機および同類のスイングロータ
P28S
回転速度 28,000rpm(文献:30,000rpm)
時間 4時間40分(文献:4時間)
試料量 チューブ1本あたり約36ml
試料 1%SDSを含むD2O(重水)に懸濁させたカーボンナノチューブ(20〜25mg/l)
使用ロータ:P56ST -
回転速度 56,000rpm
時間 1時間
試料量 チューブ1本あたり約4ml
試料 1%SDSを含むD2O(重水)に懸濁させたカーボンナノチューブ(20〜25mg/L)


分離・測定フローチャートとイメージ図

CNTをSDS/D2O溶液に懸濁させたもの
*SDS:ラウリル硫酸ナトリウム
ナノチューブ
超音波をかけてCNTの束をほぐす
超遠心機にて分離

ナノチューブ
密度の違いもしくは大きさの違い(=CNTの束の違い)により分離される
上清部分を分画
精製後確認(電子顕微鏡,ルミネッセンス測定、ラマン分光、FT-IRなど)
多層カーボンナノチューブ 試料:多層カーボンナノチューブ
装置:日立透過電子顕微鏡H-9500
加速電圧:300kV
観察倍率:400kX
(写真提供:日立ハイテクサイエンスシステムズ 那珂カスタマーセンタ)

カーボンナノチューブ 試料:カーボンナノチューブ
装置:日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡 S-5200
加速電圧:5kV
観察倍率:50kX


*左写真は、アート作品として画像処理されたものです。
2002年度(社)日本顕微鏡学会写真コンクール出展作品を引用いたしました。
 


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